前代未聞の大打撃!!生活保護改悪2法案
生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案にNO!

 

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生活保護を受けにくくして、さらに就労可能な人は生活保護から排除する生活保護改悪2法案(生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案)にNOをつきつけましょう!

 

1.生活保護制度への前代未聞の大攻撃――生活保護費の削減&生活保護改悪2法案
多くの人たちの運動の成果で、7月に生活保護制度改悪2法案(生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案)とが廃案になった。ところが、この2法案は、10月の臨時国会に早めに出される見込みである。
この2法案に先んじて、8月からは、生活保護で支給される金額が大幅にカットされている。これまででは考えられない規模と質の生活保護制度への大攻撃がかけられている。
生活保護費の削減については、違法性が高いということで全国1万人近い生活保護受給者が不服審査請求をおこなっている。生活保護受給者が全国的にこれだけの規模で声をあげたことはおそらく初めてのことで、それだけひどいことがおこなわれているということだ。
生活保護費の削減に対する不正請求運動とともに、生活保護改悪2法案への大運動を開始しなければならない。

 

2.生活保護法改正(改悪だが)案
生活保護法改正(改悪だが)案については、詳細を述べない。字数が不足しているためだ。また、あちこちに解説が出ているし、これまでもユニオンのニュースレターにチラシも封入してきたからだので読んでほしい。簡単にいうと、これまでよりも扶養義務の強化がおこなわれて申請しにくくなるおそれが高いということだ。一人暮らしでやってきたときに、離れて暮らす親・兄弟に、いまさら問い合わせが行くのであれば生活保護を受けるのはあきらめようと考えてしまう人も少なくないだろう。また、申請時に必要な書類等も実質的に増えてしまう「改正」なので、申請しにくくなる。これは問題だ。この生活保護法改正案は、絶対に廃案にしないといけない。

 

3.「生活困窮者」とは何か?
一方、もうひとつセットで出ている「生活困窮者自立支援法案」はどうか?
この法律は、「生活困窮者」(生活保護の要保護者になる以前の状態にある者とされる)を生活保護とは別の就労事業等によって支援をおこなうというものだ。一見、よさそうな感じもする。が、実は、こちらの方がクセモノだ。
具体的に考えてみよう。そもそも、「生活困窮者」という概念がインチキだ。たとえば、ブラック企業に勤めていた労働者が、あまりにもひどい労働条件に耐えられずに退職したとしよう。その人が失業中に雇用保険の失業給付で生活できるならいいが、現在、完全失業者のうち失業給付を受けている人はわずか20〜25%程度だ。75〜80%の人は無収入になるということだ。このような状態で長期に失業が続けば、生活保護制度につながるしか生きる方法はない。つまり、「生活困窮者」というのは、安定した雇用とまともな失業給付があれば、そもそも生活に困窮することなどないということなのだ。このことにまったく手をつけずに「生活困窮者対策が必要」などといっている時点で怪しい政策である。

 

4.「生活困窮者自立支援法」の問題点
さらに、これまでであれば、上記のように長期失業者は、市区町村の福祉事務所を訪ねれば生活保護を申請することができて要件を満たせば生活保護を受給することができた。もちろん、窓口でいやがらせをして追い返すような不届きな福祉事務所もないわけではないが、そうした場合も福祉事務所を違法な「水際作戦」をおこなったとして法的にも争うことができた。がんばれば生活保護を受給できることが多かったということだ。
ところが、今回の法律は違う。生活保護制度とは別の制度を新しい法律によってつくると言っているということは、福祉事務所と別の窓口で、本来であれば生活保護につなげるべき要保護者であったとしても、その人を新しい法律にもとづく就労事業につなげようが、はたまた追い返そうが、これは違法にはならないということなのだ。生活保護を本来、受けられるような状態の人を生活保護につながなくてもすんでしまう。それが違法でもなんでもなくなってしまい、当事者が無権利状態に追い込まれてしまうというのが今回の法律のミソである。
いくつか根拠を示そう。2012年8月に、自公民3党による「税・社会保障一体改革」合意によって成立した、消費税増税と社会保障削減とをうたっている「社会保障制度改革推進法」には、こうある。

 

「(生活保護制度の見直し)
第二条 政府は、生活保護制度に関し、次に掲げる措置その他必要な見直しを行うものとする。
一 不正な手段により保護を受けた者等への厳格な対処、生活扶助、医療扶助等の給付水準の適正化、保護を受けている世帯に属する者の就労の促進その他の必要な見直しを早急に行うこと。
二 生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しに総合的に取り組み、保護を受けている世帯に属する子どもが成人になった後に再び保護を受けることを余儀なくされることを防止するための支援の拡充を図るとともに、就労が困難でない者に関し、就労が困難な者とは別途の支援策の構築、正当な理由なく就労しない場合に厳格に対処する措置等を検討すること。」

 

 また、この生活困窮者支援の枠組みを議論してまとめた、社会保障審議会「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」の報告書(素案)(2013年1月16日)にはこうある。(このあと、委員から批判があり修正されたものが報告書となったが、この記述が厚生労働官僚のホンネが端的に表れていると思われる。)

 

 「生活保護制度の見直しと相俟って、就労可能な人が可能な限り生活保護を利用することなく、就労により自立できるよう支援するという今回の制度改正の目的を踏まえると、新たな相談支援事業の対象者は、生活保護の一歩手前の経済的困窮者を中心に検討すべきである。」

 

 上記にあるように、就労可能な人は生活保護を受けさせずに、別の制度(生活困窮者自立支援法によってできる制度)にまわってもらうというのが、この法律の狙いだということは明白だ。

 この2法案をこのまま通してしまえば生活保護制度の大改悪につながる。大きな運動を今からつくっていこう!9月29日(日)15時からは新宿で宣伝行動とパレードがおこなわれる。10月17日(木)には院内集会がおこなわれる。全力で成功させよう。

 

【河添 誠(首都圏青年ユニオン青年非正規労働センター事務局長)】

 

 

 

 

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