首都圏青年ユニオン
ニュースレター
第13号 2002年3月28日(木)発行
発行:首都圏青年ユニオン執行委員会
03−5395−5359
E-mail seinen@mx10.freecom.ne.jp
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今年はメーデー前夜祭にも集まって
5月1日は労働者の祭典、メーデー(May Day)です。1886年5月1日、シカゴ、ボストン、ニューヨークなど各地で35万人以上の労働者が1万1500以上の工場で「8時間労働制」を求めるゼネストを決行し、過去30年にわたって要求していた8時間労働制を獲得しました。
しかし、アメリカの資本家と警察は反撃に転じ、シカゴの工場で発砲し4人の労働者が殺されました。これに抗議するヘイ・マーケット広場の集会に、警察のスパイが入り込み勇ましい煽り立てを行った上で、爆弾を投げ込みました。警察はこれを口実に弾圧を強め、ついには8時間労働制の協約は破棄されました。
1889年に開かれた第二インター創設大会は、このたたかいを高く評価し、毎年5月1日を8時間労働制を求める国際的な示威行動の日にすることを全世界に呼びかけました。
メーデーのたたかいの歴史に学びつつも、「祭典」ということですので、今年はメーデー当日だけではなく、前夜祭も行って、楽しみたいと思います。
メーデー前夜祭は4月29日(月)を予定しています。
午後1時からと4時から、それから夜の8時からの三部構成で、4時からは映画上映会、8時からは音楽と交流を予定しています。一日すべての企画に参加するのも、一部の企画に参加するのもあなたのご都合にあわせて参加していただければと思っています。
5月1日の第73回中央メーデーは亀戸中央公園で行われます。日中の集会後、夜にはメーデーの歴史を学びつつ楽しく交流する交流会が公共一般の主催で行われます。ご参加できる方はそちらにもご参加お願いします。
メーデー・前夜祭の詳細は4月中旬発行予定の青年ユニオンニュースレター「メーデー特集号」でお知らせします。
O文庫分会結成→団体交渉をおこなっています
O文庫は世田谷区にある日本最大規模の雑誌図書館で、40名あまりの職員の約半数20名ほどが臨時職員・契約職員などの非正規雇用労働者です。
3月の契約更新に際して現行7時間だった労働時間を8時間に延長するという、一方的な労働条件の引き下げが2月にはいってから突然説明もないままに文書で提案されました。しかも、文書には労働条件に引き下げに同意しない場合、契約更新を行わず解雇するという趣旨の文言が書かれていました。
こうした財団の態度に不信を抱いての相談がメールでユニオンに送られてきました。こうした一方的な不利益変更は裁判でも認められていないこと、こうしたケースでは、不満を感じている仲間と一緒に労働組合を結成して交渉するのが一番の解決策だということ、労働組合を結成することで経営者のアルバイト・パート従業員に対する扱いも改善することなどアドバイスする中で分会結成、交渉申し入れを行うことになりました。
最初に相談を寄せたNさんが、同じ職場の臨時職員を組合に誘ってくれたので、交渉申し入れ後財団がきちんとした対応をとっていなかったことがリアル・タイムでユニオンに伝わり、結果としてすぐに正常な労使関係を持てるようになりました。
現在では、労働時間を7時間と8時間の両方から選べること、どちらを選んでも能力評価などでマイナスに扱わないことなど確認し、これから労働条件の交渉を労使で行っていくことになっています。
おるぐ情報 ユニオン・メンバーをひろげる取り組みを紹介します
「牛めしの松屋」ってご存知ですか?知る人ぞ知る飲食チェーンです。この松屋のアルバイターから先日相談をうけました。近いうちに組合結成して団体交渉を申し入れる予定です。
松屋では労働時間を管理するために、毎日午後3時を境に、過去24時間に働いた人の勤務時間を集計します。本来、タイムカードでその人の働いた時間を把握し、それをもとに労働時間を把握し賃金算定します。しかし松屋では、午後3時ごとに集計する労働時間を、タイムカードではなく、別に用意している「出勤簿」をもとに集計します。この出勤簿は、勤務シフトの時間帯を記入するため、実際に働いた時間の記録ではありません。だから残業分はいっさい算定されず、不払いになります。
それだけにとどまりません。「松屋時間」(毎日午後3時)の“からくり”によって、連続8時間以上働いても、2日に分けて働いていることになってしまうのです。たとえば、午前10時から午後8時まで働いた場合、普通、休憩1時間を除いた9時間が労働時間となり、最後の1時間には25%以上の割増賃金を加えなければなりません。しかし松屋では、「松屋時間」を境に日にちを変更するため、1日目に午前10時から午後3時まで、2日目に午後3時から午後8時まで働いたこととみなされます。それぞれは8時間を超えていないので割増賃金は払わないというもので、ちょっとおそまつな労務管理です。もちろん実際には支払い義務違反となります。
ほかにも店長やエリア長の気分や好みで、アルバイターの待遇を決定し変更されるという慣行があるようです。まずは残業代未払い解消など、基本的な法律を守らせることを通じて松屋にユニオンを根付かせ、悪しき慣行を改善する取り組みをしていきたいと思っています。あさって4月3日に東京・三鷹で2度目の相談会をひらき、松屋のユニオン・メンバーを増やしていく予定です。(編集者の指摘で、申し入れ前のため会社名をふせました。マスコミの方にも配っているからです。みんな、ごめんね)
レビュー
◆『ピケをこえなかった男たち――リバプール港湾労働者の闘い』 監督:ケン・ローチ
ビデオ販売:ビデオプレス
『ケス』『レイニングストーンズ』『リフラフ』などでイギリスの労働者を描いてきたケン・ローチ監督。組合員にも彼の作品のファンは多いことでしょう。今回は、イギリス・リバプールの港湾労働者たちによる解雇撤回闘争を描いたドキュメンタリー・ビデオ『ピケをこえなかった男たち』をご紹介します。
1995年9月、リバプールの港湾労働者329名は、すでに解雇を宣言されていた仲間に対し連帯を示し、ピケを破らなかったことを理由に解雇されました。ケン・ローチ監督は、解雇撤回を求める彼らとその家族の声を丁寧に集め、同時に、世界の港湾労働者たちの、「イギリスの問題は世界の港湾労働者共通の問題」とする国際連帯の様子や、保守党政権下にあって結果的に組合員を支援できない労働組合の姿をも描き出しています。
しかし、感動の中心は、やはりリバプールの港湾労働者とその家族の、彼らが営々と築き上げてきた〈港湾労働者の文化〉に対する誇りです。港湾労働の歴史とは、「まともな雇用、まともな労働時間、まともな賃金を求める闘いの歴史」でした。「日雇い労働」が常態化されていた港湾では、波止場の親方の個人的な感情や縁故によって、労働者が仕事を得られるか否かが左右されます。1967年日雇(カジュアル)労働が禁止され、港湾労働者の待遇は改善されました。しかし1989年、サッチャーは全国港湾労働計画を廃止し、以後イギリスの各港では日雇い労働が再び導入されていきます。そんな中、リバプールは最後まで歴史を逆行することを拒否した港だったのです。
ビデオを観ている最中、〈culture〉という言葉が何度も響きました。何年も前に学校で習ったその語源――「耕作」を思い出しました。毎日土に鍬を入れないことにはいい土壌はできない。日々、不合理なことに声をあげていかないことには、自分たちが望む明日はないのだと改めて思いました。そのために、自分の言葉を獲得したいものです。リバプールの彼らのように、静かではあるが強く、自分たちの歴史に確信をもった、多くの人に響く言葉を……。(組合員・ブル)
イングランドおやじの娯楽=パブにサッカーそしてギャンブル?
ニュース係の僕はしばらく仕事をほっぽりだして、単身イギリス研修へ。三週間のイギリス生活では、勇ましい労働運動の世界とはちょっと違う、この国の横顔を垣間見ることができました。
目的地ケンブリッジに到着したあくる日、ホームステイ先のホストファザーに連れられいきなりサッカー観戦。ウエールズの首都カーディフで行われた試合は全英選手権の決勝戦で、我がホストファザー、ジョンの応援するトットナムは19世紀に誕生したロンドンの人気チームです。でも、着いていきなりスタジアムに行ったりしません。まずは、スポーツ系ギャンブルの総合オフィスに行って、自分のチームにちゃんと数ポンド賭けます。ついでに隣で売ってる馬券やらドッグレースのチケットまで買っちゃいます。それが終わると次はパブへ。行きつけのパブはすでにトットナムのサポーターで埋め尽くされ、皆がビール片手に応援歌を熱唱。会場に入る前にテンションは最高潮です。イングランドのサポーター、中心部隊はまぎれもないおじさん達。少年の頃から一つのチームを一途に愛し続け、その勝敗に一喜一憂します。腹が出て頭が禿げ上がっても、少年時代に覚えた応援歌を歌い続けます。
8万人のスタジアムでは、全員がどちらかのサポーター。イングランドは、中盤を飛ばしてひたすらゴール前にボールを放り込む単純明快なサッカーで、ゴール前に攻め込む度に全員が立ち上がり“Come on !!”。ゴールを外せば“shit!”。皆がピッチの上の出来事を自分のことのように興奮し悔しがります。「フットボールは少年を紳士にする」(だったっけ?)みたいな言葉もありますが、逆にここではどんな紳士も、あるいはジョンのようなタクシードライバーのおやじも、みんなが少年に帰って無邪気にはしゃいでいるようです。フーリガン報道などで怖がられることも多いイングランドのサッカーですが、今の日本ではなかなか目にすることのできない、スポーツの懐の深さを見せられた気がしました。4時間もかけて運転してくれたジョンでしたが、接戦の末トットナムが負けてしまってかなり落ち込んでいました。「この借りはFAカップで返す!」とブツブツ繰り返す彼、これも典型的なイギリス労働者の姿なんでしょう。 K