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「富士そば」の従業員が、職場でのコロナウイルス感染防止のため、営業停止を要求


2020年04月20日

 千葉県の「富士そば」で働くアルバイト数名が飲食店ユニオンに加入し、職場での従業員の感染リスクを回避するための全額の給与保障を前提とした営業停止を求めて、「富士そば」を経営するダイタンキッチン株式会社およびダイタンホールディングス株式会社と団体交渉を行っています。 ◆職場でのコロナウイルス感染防止のため、営業停止を  飲食店ユニオンは、従業員への全額の給与保障を前提として、職場における従業員・お客さんの感染を防止するため、また職場での感染を介したさらなる感染拡大を防止するため、感染拡大地域における営業停止を求めています。  富士そばでは狭い調理場のなか複数の従業員が働くことを強いられ、従業員との間で「社会的距離」を確保することは困難です。また、お客さんと従業員との間での感染リスクもあります。食券が手渡しで行われることもありますし、またカウンターでお客さんが食事をする際にはマスクをしないお客さんと従業員が非常に近い距離にいることになります。その状態でくしゃみや咳をお客さんがした際には飛沫が従業員にもかかり、「私、いま感染したかもな」と思いながら働いていると組合員は話します。  自主的な休職や退職は、職場での感染リスクを回避することにはなりますが、それによって収入や雇用がなくなる可能性が高く現実的ではありません。組合員によれば、従業員の間では、「私たち、コロナにかかって死ぬか、経済的に飢えて死ぬかどっちかだよね」などという話もするとのことです。  飲食店ユニオンとしては、従業員の生命と生活を守るため、また職場での感染を介したさらなる感染拡大を防ぐため、全額の給与保障を前提とした営業停止という措置をとるよう求めます。この点についていまだ会社からの回答はありません。 ◆コロナウイルスの影響による売上悪化を理由としたシフトカットへの全額の給与補償  「富士そば」では2月末以降、コロナウイルスの影響による売上悪化を理由とした人件費削減のためのシフトカットが給与補償を一切伴わずに行われていました。また今後、さらなるシフトカット分の全額の給与補償を求めています。あるアルバイトは、1日8時間・週5日で週40時間働いていましたが、このシフトカットによって現在では週24時間にまでシフトが減らされています。そもそもが時給1100円の低賃金で働いていますので、このシフトカットは生活困窮に直結します。  この点については、団体交渉申し入れの翌日に会社側から、組合員についてはこれまで・今後のシフトカット分を全額給与補償するとの回答がありました。「平均賃金の60%」という労働基準法上の最低ラインを大きく上回るものであり、労働組合なくしては実現できなかった大きな成果ですが、シフトカット自体は組合員以外についても生じているため、飲食店ユニオンとしては、全従業員への全額の給与補償を求めています。  飲食業は非常に非正規労働者が多い産業であり、飲食店職場の中心的な担い手は非正規労働者です。お客さんと直接接触する機会が最も多いのも非正規労働者であり、その分感染リスクに晒されることになります。他方で、給与補償が伴わない自主的な休職や退職は、そもそも低賃金で貯蓄が少ない場合も多く、また雇用も不安定な非正規労働者の場合、現実的な選択肢となりづらくなっています。飲食業の非正規労働者の多くが感染リスクと貧困化リスクの双方の間で不安と恐怖を感じているといえます。  今回の全額の給与補償を前提とした営業停止を求める「富士そば」争議が、非正規労働者の生活と生命を守る手段として労働組合という選択肢があるのだということを示すものとすることを目指したいと思います。

映像は、ANNnewsCHより(2020/4/18)





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