シフト制労働の規制によって、シフト制労働者の生活と権利主張を支えよ


9月2日の開催したオンライン集会「シフト制を考える〜コロナ禍で浮き彫りになった保障なき不安定雇用」にて発表した声明文を以下掲載しております。



シフト制労働の規制によって、シフト制労働者の生活と権利主張を支えよ


 シフト制労働者について、使用者はいつでも自由にシフトカットをできると考えられてきました。仕事が減ったからシフトカット、店長に逆らったからシフトカット、人出が増えたからシフトカット、様々な理由でのシフトカットについての労働相談が、新型コロナ禍以前から首都圏青年ユニオンには寄せられていました。シフト制労働者のシフトカットは、解雇や雇止めに伴う法的リスクを回避しながら、人件費を調整し、また気に入らない労働者を排除するための、企業にとって非常に使い勝手のいい手段として活用されてきたのです。新型コロナは、以前から存在したシフト制労働者の不安定さを、大規模に顕在化させました。労働時間・労働日数を0にする、または大幅に減らしたにもかかわらず、「シフト制労働者はあらかじめ労働時間・労働日数が決まっているわけではないため」という理由で、休業分の休業手当・賃金支払いを拒否する企業が続出したのです。シフト制労働者には女性が多く、新型コロナ禍の女性の貧困の深刻化の一部は、このような無補償でのシフトカットによって引き起こされたと考えられるでしょう。


こうしたシフトカットを支えるイデオロギーの1つが家計補助労働論です。家計補助労働論では、シフト制労働者=非正規労働者は、男性正社員に養われている女性・子どもであるから、その女性・子どもの収入が減少しても家計に大きな影響を与えない、と考えられます。シフト制労働者には女性や学生が多く、彼ら・彼女らのシフトは減らしても問題ないという発想が、無規制のシフト制労働の存在を支えています。しかし、こうした家計補助労働論と現実との乖離が新型コロナ禍では明らかになりました。学生アルバイトのシフトカットなどの影響で、大学生の2割以上の人が退学を検討していることが明らかにされ、また妻の収入減少によって経済的困窮に陥る家庭が出てきているのです。「学生アルバイト」「主婦パート」が学生生活や家族生活を支える重要な収入源となっている実態がわかります。シフト制労働者だからと言って企業が好き勝手にシフトカットしていいわけではないのです。


首都圏青年ユニオンは、顧問弁護団と協力して作成・発表した『シフト制労働黒書』で、こうしたシフト制労働を規制するための具体案をいくつか提案しました。第1に、厚生労働省の労働基準法第26条解釈を是正し、就労実態や契約書・条件通知書の記載をもとにシフト制労働の場合にも適用すること、第2に、シフト制労働者の契約書・労働条件通知書・求人票への最低保障賃金・最低保障日数記載の義務付けもしくは労働協約による最低保障日数・最低保障賃金の設定、第3に労働基準法第26条及び労働基準法第12条の改正による休業手当水準の引き上げ。いずれも無補償のシフトカットを規制し、シフト制労働者の収入を安定させることを意図しています。また同時にこれは、制裁としてのシフトカットの余地を縮小し、労働者の権利主張を支えることになります。

コロナ禍で浮き彫りになった、最も脆弱・劣悪な働き方である「シフト制労働」、これを放置することはできません。貧困・格差の是正のためにも、私たちは、シフト制労働の規制と労働者の保護に取り組んでいきます。

以上

最新記事

すべて表示

東横インは、パート労働者に十分な休業補償を行え!―労基法の欠陥を象徴する東横イン争議―

東横インで働くパート労働者のAさんは新型コロナ禍で大幅なシフトカットを受け、会社から休業手当を支払われましたが、その休業手当の金額は非常に低い水準であり、生活困難に陥りました。Aさんは首都圏青年ユニオンに加入し、東横インに対して通常賃金10割の休業補償を行うよう要求しました。この争議は、労基法の休業手当の定めの不十分さを象徴するものでもあり、首都圏青年ユニオンは東横インとの争議と併せて、労基法改正

休業支援金・小学校休業等対応助成金のリーフレットを作成しました!

首都圏青年ユニオンは、休業支援金(「新型コロナウイルス感染症等対応休業支援金・給付金」)や、小学校休業等対応助成金について、国への制度改善の要請や労働者の申請支援の取り組みを行ってきましたが、この度、申請・受給事例や制度説明などを掲載した当事者向けのリーフレットを作成しました。 コロナ禍でシフトが減ってしまった、子どもの世話の為に仕事を休まなくてはならず賃金が減ってしまうといった方々、休業支援金や

コロナ感染疑いで保育園を休んだ子どもの世話のために仕事を休んだパート労働者、企業から全額の賃金補償獲得!!

2人の子どもを育てながらパートとして働くAさんは、保育園から子どもの1人が38度を超える発熱をしているとの連絡を受け、すぐに迎えに行きました。ここの保育園では、同居家族に37.5度以上の発熱者がいる場合、登園禁止となるため、同じ保育園に通っているもう1人の子どもも家にいなければならなくなりました。2人の子どもが保育園に行けず家にいることになり、Aさんはやむなく仕事を休みました。 このような場合でも