休業支援金不支給決定も、ユニオンと協力して再申請で38万円受給

「休業支援金を申請したら労働局から不支給決定通知書が送られてきた」とAさんが労働相談に来たのは2020年12月でした。申請前に会社に休業支援金申請への協力を頼んだところ、「業務委託契約だから休業支援金の対象にはならない」として協力を拒否され、事業主が記入する欄を空欄にしたまま提出したところ、「不支給決定通知書」が送られてきたのです。

 そんなAさんでしたが、2020年12月末にユニオンとともに作成した意見書を添付して再申請したところ、無事休業支援金の支給が決定され、半年分の38万円の支援金を受け取ることができました。会社から申請への協力を拒まれたり、労働局から不支給決定を受けたとしても、きちんと事情を説明した文書を添付して再申請すれば支給が認められるケースもあります。ぜひあきらめずにユニオンに相談に来てほしいと思います。


◆どうやって申請したのか

 Aさんは日本語講師としてB社と契約を結んでおり、月8万円ほどの給与を受け取っていました。確かに日本語講師の中には業務委託契約で働いている人も多くいますが、Aさんの場合、契約書の記載や源泉徴収票が「給与所得」として発行されていたことや就労実態から雇用契約としての性格が非常に強くなっていましたし、過去には労働基準法に基づく有給休暇の取得実績もありました。明らかに雇用契約であるといえます。

 再申請の際には、ユニオンと協力して「会社は業務委託契約と主張しているかもしれないが、雇用契約であり休業支援金の対象になる」という趣旨の主張を展開する「意見書」を同封して申請しました。

 業務委託契約と主張することで、雇用契約であれば発生する企業責任を回避しようとする企業が増えています。しかし契約や就労の実態が雇用契約である場合には、会社が業務委託と主張していようが労働者として扱われるべきであり、休業支援金制度の対象になるべきです。労働局が会社の主張だけを聞いて判断することのないよう、申請と一緒に労働者の主張・認識を書いた意見書を同封することが重要です。


◆企業が協力してくれなくても休業支援金を使えます

 休業支援金の申請に必要な書類には事業主の記載が求められている部分がありますが、B社はこの記入を拒否しました。しかし事業主記入欄に会社が記入をしてくれなくても、休業支援金の申請・受給は可能です。

 2020年10月30日と2021年1月28日に厚生労働省がリーフレットを発行し、事業主が書類への記載を断るもしくは休業を認めない場合でも、次の①か②のケースならば休業支援金の支給が認められるとしました。


 ①労働条件通知書に「週〇日勤務」などの具体的な勤務日の記載がある、申請対象月のシフト表が出ているといった場合であって、事業主に対して、その内容に誤りがないことが確認できるケース

 ②休業開始月前の給与明細などにより、6か月以上の間、原則として月4日以上の勤務がある事実が確認可能で、かつ、事業主に対して、新型コロナウイルス感染症の影響がなければ申請対象月において同様の勤務を続けさせていた意向が確認できるケース


 会社が協力してくれない場合には、上記の①あるいは②の基準に合致することを添付文書で主張しつつ、それを裏付ける資料を添付して申請するのがよいでしょう。

 労働相談の中では、「コールセンターから、「企業による署名がないと申請できない」と案内された」という相談もしばしば寄せられます。しかしこうした案内は誤りであり、上述のように企業が書類への記載を拒否した場合でも申請・受給は可能です。首都圏青年ユニオンは2021年4月20日に厚生労働省に要請を行いましたが、そこで厚生労働省の担当職員は、「企業による記載がないことで申請できないということはない」と話していました。


◆労働組合・ユニオンでできること

 首都圏青年ユニオンでは、新型コロナウイルス禍において、休業支援金についての相談や申請支援を行ってきました。企業に申請に協力するよう要求・交渉したり、労働者に電話で申請の仕方を説明したり、また書類の作成を手伝うなどといった支援を行っています。例えば企業からの申請協力が得られなかった学生アルバイトの申請を支援し、数か月分で50万円以上の休業支援金を取得した例もあります。また交渉によって企業に休業支援金申請に協力させ、2020年7月以降現在まで休業支援金受給を続けている労働者もいます。

 休業支援金の申請を検討している、もしくは申請しようとして何か困っていることがある労働者は、ぜひユニオンにご相談ください。

 

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