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個別指導塾での退職勧奨事件を解決!

  • 執筆者の写真: union2000seinen
    union2000seinen
  • 2024年7月5日
  • 読了時間: 4分

2023年12月から取り組んでいた、ある個別指導塾における学生アルバイトへの退職勧奨事件が解決しました。労働相談から加入し、団交を経て和解に至っています。


本件は、大学生の講師が、塾を利用する子とその保護者からのクレームを理由に「やめてもらうことになる」と教室長から言われ、退職手続きを促されしたがってしまったことから事件化しました。退職書類の本人が書くべき部分を教室長が書き込んでいたことや、クレームがあった際に具体的な業務指導もなく退職勧奨を行ったこと、仕事を続ける選択肢を提示されず退職する他ないと思わせるやり取りがあったことなどから、退職強要に近い行為があったと言えます。団交で事実関係を整理し、本人の当時の感情などを伝え、金銭和解となりました。


個別指導塾では大学生が多く働いていますが、学生バイトが働くルールを詳しく知らない、もしくは知っていても権利行使をしづらいことから、都合よく退職勧奨(強要)や解雇、「コマ給制」を利用した賃金未払い、シフト強制などに及ぶ企業が多くあります。10年以上前から社会問題として残っておりますが、現在でも相談があります。


ユニオンであれば、学生も加入でき、会社に対して権利行使をするサポートができます。気軽にご相談ください。


以下、当該組合員のメッセージです。


 今回ユニオンのことを知ったのは、私が在学する大学での特別講義でした。団体交渉の事例を聞き、自分が置かれていた環境は、ややもすると事例と同じようなものなのではないかという疑問を持ち、授業後に相談に応じていただいたのが始まりでした。

 私は青年ユニオンの存在を知る前に塾講師のアルバイトをしており、担当する生徒とその保護者から、担当を変えてほしいとのクレームがあったことが原因で退職届を書かされ、形式的には自主退職したということになっていました。業務を行う上での具体的なお指導も特にされず、自分なりに考え、内容を改善していた所への退職勧告でした。当時は抗う術がないと認識しており不本意ながら署名をしてしまったのですが、今思えばそれが間違っていたということを感じ後悔しています。相談を経て団体交渉を行う決定に至った理由としては、不当な扱いをされたという悔しさが半分、実際の団体交渉はどのようなものなのかとういう好奇心が半分でした。

 団体交渉では、退職手続きが行われた時期が1年以上前ということもあり、雇用されていた期間のやり取りや退職の手続き等についての詳細な事実確認が行われました。事実を述べることは特段難しいことではありませんでしたが、その時の胸中について問われた際は言語化にとても苦労しました。当時の状況を思い返すことは私にとって良いものではありませんでしたが、交渉を進めるためには避けられないことであったためできる限り冷静かつ毅然な姿勢を保つことに努めました。時折、先方から非を認めるような発言があったことがささやかな気休めとなりました。当初の好奇心などは微塵もなく、ただただ緊張を感じていました。

 交渉を終えた直後の率直な思いは、自分が無知であったという無力感でした。書面に署名をして捺印したことの意味も、労働に関する法律も知らずに生きてきたことに対し危機感を覚えると同時に愚かさを自覚しました。しかし、ユニオンの助けがあり無事に交渉を終えることができました。困りごとを相談することができる場の貴重さと、非正規労働に就く人間にとってのユニオンの存在の大きさを改めて感じています。また、自分にとっては些細な違和感・疑問であっても実際は問題である場合が存在することを、身をもって体験したので、その感覚を殺すことなく相談することには意義があるはずだと、これを見た人たちには伝えたいと思います。今後もユニオンに加盟し続け、活動への参加を通じて何がしかを得ることができればと考えています。


 
 
 

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