叙々苑や串カツ田中に食品卸す(株)フードサプライのアルバイトらが、休業手当の支給を求め団体交渉申し入れ

 東京都大田区に本社を構える株式会社フードサプライは叙々苑や串カツ田中、デリカフーズなど大手有名飲食店に野菜などの食品を卸す会社です。フードサプライの物流センターで野菜のピッキング作業などを行うアルバイトらが飲食店ユニオンに加入し、アルバイトに休業手当を全額支払うよう求め、団体交渉を行っています。

納得のいかない説明

 株式会社フードサプライは新型コロナウイルスの影響により取引先である外食業界が大きな打撃を受ける中、その煽りから売り上げが激減してしまいました。同社の物流センターで働くアルバイトは、3月末ごろからの業務量減に伴いシフトの早上がりなど労働時間を短縮させられ、4月に入ると休業を命ぜられました。休業中は「電話があった時だけ出てきてくれ」とのことでした。

 飲食店ユニオンに加入したアルバイトらは、夜21時から翌朝6時までのシフトを週6日勤務で働き、さらに毎日1時間以上の残業をし、月給にして約30万円の収入を得ていました。4月以降、勤務がほとんどなくなることについて、会社に休業手当の支払いはあるのかどうか問い合わせたところ、会社の説明では、4月のシフトについては確定している部分についてのみ平均賃金の6割の休業手当を支払うが、5月以降は「仕事(シフト)がない」として休業手当は支払わないというものでした。会社の説明は納得のいくものではなく、団体交渉を申し入れることとなりました。


休業手当はシフト確定部分のみ!?

 団体交渉においても、交渉に出席していた会社側弁護士は「シフトが確定していない部分については休業手当の支払い義務はない」と同様の主張を繰り返しました。


 しかし、実態としては、継続的に週6日・1日9時間以上の労働をしていたのであり、当初の入職面接においても労働時間については確認されていました。「シフトがない」からと言って「休業手当を出さなくてよい」とする会社側の対応はあまりにも身勝手であり不当です。会社側の言い分に沿えば、シフト労働者である限り、労働時間は会社の都合で自由に操作してしまうことができます。極端に言えば、ある月はフルタイムで働かせ、ある月は全くシフトを入れないということもできます。

 

 「シフトを入れなかった」のは会社側であり、会社都合の休業については、当然休業手当支給の義務が発生します。

 しかし、それだけに留まらず、会社側弁護士はシフトが確定していた部分についても本来はコロナウイルスの影響であり、会社の責に帰するものではなく、支払い義務はないと主張しています。シフト確定部分の平均賃金6割の休業手当支給は温情であると言わんばかりの言い草です。

見通しがつくまでシフトには入れられない

 団体交渉で、5月以降については「仕事がない」と人事部長が発言していた点について聞いたところ、「今後の見通しがつかない。見通しがついた時に戻ってくることはできる」などと、会社側弁護士は主張しました。これでは、会社がいいと言うまではシフトも入れられず、当然収入もなく、事実上の解雇状態です。文字通り、アルバイトは「雇用の調整弁」としか考えていないようです。


 ユニオンは休業手当および今後の雇用に関する会社側の主張に対し、猛抗議しました。そうしたところ、団体交渉後日、会社側は4月5月について平均賃金の9割の休業手当の支給及び6月以降は週2日1日6時間の労働条件とするなどと回答を出してきました。一定の譲歩は見せているものの、「週2日1日6時間の労働条件」は労働時間が大幅に削減されており、明白な不利益変更であるため、受け入れられるものではありません。全額補償とこれまで通りの労働条件を取り戻すために交渉を続けていきます。


雇用調整助成金を使えば十分給与補償はできるはず

 そもそも、雇用調整助成金を活用すれば給与補償はできます。雇用調整助成金は1日上限8330円となっていますが、政府が上限引き上げについても検討しているところであり、上限引き上げが実現すれば、さらに十分な給与補償ができることとなります。

 会社側は雇用調整助成金の活用を検討していると回答していますが、そうであるならば、平均賃金の6割に留まらず、全額補償に踏み切るべきです。

 シフト労働者に対して、「休業手当を払う義務はない」と主張する企業は後を断ちません。会社から休業手当が出なければ、他に補償を受ける制度・政策は存在せず、無収入が続くことになり、生活が困窮してしまいます。

 「休業手当を払う義務はない」などと言う間違った認識を正し、雇用調整助成金の活用を促し、正当な休業手当の支払いを勝ち取るまで粘り強く交渉していきたいと思います。


 写真はイメージです。


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