木村屋本店などを運営する株式会社KIDSとの団体交渉について 〜賃金100 %の休業補償を獲得しました〜

 現在、首都圏青年ユニオンの学生分会である「学生ユニオン」の組合員が、「木村屋本店」などの飲食店を運営する株式会社KIDSに対して、学生アルバイトへの休業補償を求めて団体交渉に取り組んでいます。

学生アルバイトが休業補償から排除!?

本件では、特に学生アルバイトが休業補償から排除されているというポイントが問題となりました。

団体交渉において、「なぜ学生アルバイトには休業補償を行わないのか」と質問したところ、団交に出席した会社役員は「財政状況が厳しいので、休業手当の対象は雇用保険加入者に絞っている」と説明しました。雇用保険の制度上、企業は1ヶ月以上雇用が続く見込みがあり、週20時間以上の労働時間で働く労働者を雇用保険に加入させなければなりません。しかし、原則的に学生は雇用保険加入が認められていません(制度自体が学生労働者を排除している点にも問題があります)。したがって、休業補償の対象を限定するために雇用保険加入者か否かという線引をしてしまうと、事実上対象から学生が排除されてしまいます。

 現在、“緊急雇用安定助成金”が創設・拡張され、中小企業であれば、学生アルバイトを初めとする雇用保険に加入していない労働者に休業補償を行った場合であっても、その費用の全額が助成されます。なお、団体交渉時にはたしかに1割の持ち出しが必要でしたが、9割まで助成金が出るため大幅な人件費の削減が可能でした。また、企業が休業手当支給のため一時的な持ち出しを行う場合も、日本政策金融金庫の“新型コロナウイルス感染症特別貸付”を活用して賄う手段もあります。団交の場において、当ユニオンから会社に、「会社の存続・従業員の雇用維持のためにどのように制度利用をしているのか」と質問しても、「色々使っていますよ」と具体的な回答はありませんでした。

 また、団交に出席した役員は、当該学生組合員に対して、「バイト代は何のために必要なのか。学生支援金は申請しているのか。」と質問しました。これに対しては、当該組合員は「生活費のために必要です。学生支援金も申請しましたが、いつ入るかわかりません。」と答えています。しかし、バイトの目的が何であれ、生活維持のため制度利用をしていたとしても、正社員に休業手当が支払われているのであれば、学生アルバイトにも平等に休業手当を支給すべきであると考えます。株式会社KIDSにおいて、学生アルバイトは店舗運営には欠かせない存在のはずです。それにも関わらず、「生活がかかっていないから」と学生バイトに休業手当を支給しないのは不当です。

 このように、緊急雇用安定助成金を利用して従業員の生活保障を行うよう指針を出しているにも関わらず、休業補償を行っていないという問題は、株式会社KIDSに限らず多くの企業に見られます。ユニオンとしては、学生アルバイトも職場を回すのに必要な労働者である以上、企業による生活保障の対象としなければならないと考えます。そこで、学生の生活保障がないがしろにされていることを社会的な問題とし、学生でも労働組合に加入して会社と交渉できると発信するため、記者会見を行いました。

賃金100%の休業補償獲得!!

 その結果、株式会社KIDSはH Pでも発表しているように(http://kidshd.co.jp/images/top/IR5_2.pdf)、全従業員を対象に段階的にではありますが、賃金100%の休業補償を行っていくとの回答を得ることができました。当ユニオンにもそのように回答しています。

 団体交渉を通して会社と話し合ってきた結果、100 %の休業補償の獲得を実現でき、画期的な結果です。

 株式会社K I D Sのように中小企業であれば、雇用調整助成金の助成率は10割、1日上限1500円と大幅に制度拡張が行われており、交渉をすれば100%の賃金補償を得られる可能性が高まっています。

 他の会社とも引き続き、交渉を継続していきたいと考えています。ぜひ、休業手当不支給で悩んでいらっしゃる方々はユニオンに相談してみてください。

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