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東京外国語センター、日本語教師の休業支援金受給を妨害し訴訟に発展!休業支援金申請への協力と雇止め撤回を求める

更新日:2022年10月15日

 キヤノン、日立、トヨタなど大手企業で働く外国人社員の日本語教育を行う株式会社東京外国語センターは、同センターに雇われる日本語教師Aさんの休業支援金受給を妨害し、また休業支援金申請への協力を求めたAさんの雇い止めを宣言。現在、訴訟に発展しています。ユニオンは、Aさんの休業支援金受給を支援するとともに、声を上げた労働者に対する雇い止めを撤回するよう同センターに求めて団体交渉を行いました。


◆「給与所得」扱いしながら業務委託契約…悪質な休業支援金受給妨害  Aさんは日本語教師として東京外国語センターで約10年間働いており、同センターでキャノン、日立、トヨタなどの外国人労働者の日本語研修を行ってきました。新型コロナの影響で日本語研修の仕事は減ったことで、同社からAさんが受け取る給与は従前の1割程度にまで減少しました。生活に困難を抱えたAさんは、休業支援金(正式名称は「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」)の利用をするため、東京外国語センターに休業支援金受給に必要な休業証明を求めます。しかし同センターは、雇用契約ではなく業務委託契約であると主張して、休業証明はおろか、雇用の証明さえ拒否したのです。休業支援金は雇用された労働者を対象にしたものですので、雇用されてなければ受給できません。Aさんは、不支給となってしまいました。  しかし、 同センターは、毎年、Aさんへの支払いを「給与所得」として扱い源泉徴収票を発行しており、労基法の有給休暇の取得を認めたこともあります。給与所得は雇用された労働者への報酬を示す区分ですし、労基法上の有給休暇は労働者に取得資格があるものです。また英語の契約書には、雇用された労働者を示す「Employee」という言葉が使われるなどしており、労務管理上同センターはAさんを雇用された労働者として取り扱ってきました。いまさら業務委託だなどと主張して休業支援金の受給を妨害することは非常に不当だといえましょう。同センターが、なぜいまさら業務委託契約という主張をしてきたのかはわかりません。ただ休業支援金申請の際に休業証明や雇用証明を拒む会社の多くは、これらを証明することで会社の休業補償責任を認めることになるのではないかと考えるために拒否します。同センターも同様の理由で休業支援金受給を妨害しているのかもしれません。自らの責任逃れのために労働者の生活を犠牲にする、非常に悪質かつ自分勝手な行いだと言えるでしょう。 ◆団体交渉を申し入れたら雇い止めで訴訟へ!!  Aさんはその後、首都圏青年ユニオンに加入し、休業支援金の再申請をするともに、東京外国語センターに労働者性を認め休業支援金申請に協力するよう求め、団体交渉を行いました。  同センターは、当初から業務委託契約のつもりだった、給与所得扱いは業務委託にそぐわないということを知らなかった、有給休暇は労基法上のものではない、などとして労働者性を否定しています。また、当初から労働者だと認識していたというAさんに対して、「嘘をついている」と言うなど非常に乱暴な発言もされています。  曲がりなりにも60年に渡って事業を続けてきた同センターに、労働者性についての基本的な知識が無かったとは考えられません。ましてや、書類上は労働者性を前提にした取り扱いをしておきながら、自らの労務管理を棚に上げて、労働者であると考えていたというAさんを嘘つき呼ばわりするとは、極めて幼稚かつ乱暴でしょう。  同センターの乱暴な行いはこれにとどまりません。2021年12月に入ると、2022年2月末でのAさんの契約打ち切りを宣言したのです。コロナで仕事が無いからなどと言いますが、何人の教師が契約打ち切りになるのか尋ねても明らかにしようとしません。タイミングを考えると、Aさんが団体交渉を申し入れたことを理由にする契約打ち切りであると思われます。声を上げた労働者を雇止めにする、非常に悪質な行いだと言えます。休業支援金への協力と雇止めの撤回を求めて、現在訴訟が行われています。


 東京外国語センターは、労働者性の承認や契約打ち切りの撤回といったユニオンの要求に対して、一切応じようとしません。こうした対応を許してはいけません。

 グローバル化が進むなか、日本社会は外国人労働者にますます支えられるようになっておりますが、そこで重要になるのは外国人への日本語教育です。このようにますます公共性が高まる日本語教育を担っているのはAさんをはじめとした日本語教師の方々です。しかし、その公共性の高さとは裏腹に、日本語教師の労働条件は非常に不安定です。声を上げたAさんが雇止めされてしまったのも、こうした労働条件の不安定性ゆえです。今回の争議を通じて、東京外国語センターの労働環境の是正を目指すことはもちろん、不安定な日本語教師全体の待遇改善を促進したいと思います。

 これを読んでいただいた皆様には、ぜひ東京外国語センターの問題を社会的に広げ、ひいては日本語教師の方々の不安定さやその是正の必要性について考えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

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