結婚式の二次会や企業パーティの会場の貸し出しやビュッフェの調理・給仕を行う株式会社プラチナスタイルが、アルバイトらの休業支援金(休業手当をもらえない労働者が休業前賃金の8割を国から直接受け取るというもの)の申請・受給を妨害しています。首都圏青年ユニオンは、休業支援金申請・受給に協力するよう求めて団体交渉を行っています。
アルバイトが休業支援金を適切に受け取れるよう、この記事を拡散いただけますと幸いです(別の記事でも取り上げていますので、そちらも参照ください)。
◆「シフトが出ていない期間は休業支援金の対象にならない」という誤解
株式会社プラチナスタイルは、3月に入ると二次会やパーティの予約が無くなり、アルバイトのシフトも3月以降現在まで0となっています。休業手当は支払われず給与が0となっていたため、アルバイトらは休業支援金申請のための協力を求めました。
休業支援金申請の際に必要な「支給要件確認書」には、申請されている期間にその労働者を雇用していたかどうか、休業していたかどうかなどといった点について事業主の認識を記入する「事業主記入欄」がありますが、ここへの記入を求めたのです。厚生労働省は、「事業主記入欄」に事業主がどのような記入をしているか、とりわけ事業主が休業を認めているかどうかを支給決定の判断において重視していることから、事業主がこの欄に記入し休業を認めることが休業支援金の受給にとっては非常に重要となっています。
企業経営が大きなダメージを受けていることを認識していたアルバイトたちも、企業の持ち出しが一切ない休業支援金ならば迷惑をかけることはないため、協力してもらえるだろうと思っていたといいます。しかし同社は、「シフトが出ていない期間については休業支援金の対象にならない」と休業支援金申請への協力を拒みました。ちなみに、厚生労働省のホームページのQ&Aにあるように、シフトが出ていない期間についても以前の就業実態に照らして休業支援金の対象になるため、「シフトが出ていない」から休業支援金の対象にならないというのは誤った認識です。
◆「休業」ばかりか「雇用」を認めない、悪質すぎる休業支援金申請妨害
その後アルバイトたちは首都圏青年ユニオンに加入し、9月14日に団体交渉を行い、改めて休業支援金申請への協力を求めました。その結果、同社は事業主記入欄への記入を行うことに同意しつつも、後日記入された「事業主記入欄」では、「休業していたかどうか」という項目に「いいえ」と回答し、またそれにとどまらず、休業支援金が申請されている期間について「申請を行う労働者を(…)雇用していましたか」という項目にも「いいえ」と回答したのです。
休業支援金は、「雇用契約が継続しているけれどもシフト・労働時間が大幅に減少している期間(完全休業・部分休業している期間)」を対象とする制度であるため、雇用契約がないということになれば支給されません。同社には適切な雇用契約書も労働条件通知書もありませんが、9月14日の団体交渉の席上では労使双方が「雇用契約は継続している」という認識のもと団体交渉を行っていました。「雇用契約がない」という話は一切出ていません。当然解雇・雇い止め通知も一切ありません。単なる嫌がらせとしてアルバイトの休業支援金受給を妨害しようとしているとしか考えられないでしょう。休業を認めないばかりでなく、雇用を認めないことで、休業支援金の受給をいたずらに困難にする同社のような対応は、他に例を見ないほど悪質です。
労働者の雇用や給与を守ることは、企業の責務の一つではないでしょうか。もちろん、新型コロナウイルス禍において、こうした責務を果たすことが困難になっていることは理解します。しかしそのような困難のなか休業支援金が設置され、企業負担なく労働者の雇用・給与を守るという企業の責務を果たすことが可能になっているなか、なぜその申請・受給をことさらに妨害するのでしょうか。株式会社プラチナスタイルには、直ちに休業支援金申請・受給に協力するよう求めたいと思います。
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