グッドウィル未払い残業代問題

株式会社グッドウィル 名ばかり管理職未払い残業代裁判
東京地方裁判所で和解をしました。

 

人材派遣会社グッドウィル 「名ばかり管理職」残業代等請求事件
勝利和解についての声明

2010年10月5日
首都圏青年ユニオン
同 顧問弁護団
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1 2010年9月29日、東京地裁民事第 11部において、大手人材派遣会社であった被告株式会社グッドウィル(以下、「グッドウィル」という)と、グッドウィル各支店長であった原告17名との間で解決金の支払いによる和解が成立した。

2 本件訴訟において、原告らは、グッドウィル各支店において長時間労働の実態があり、時間外労働および深夜労働、休日労働に対して労働基準法(以下、「労基法」という)に基づいた賃金が支払われていないとし、未払い分の賃金を請求した。また、2008年7月31日付のグッドウィルの廃業(残務整理除く)に伴う人員整理において、原告4名に行われた解雇(解雇日は翌8月末日)を不当とし、従業員としての地位の確認を求めた。

3 原告らは、グッドウィル各支店の店舗において、派遣登録をしている労働者に対して派遣先の紹介(いわゆる「日雇い派遣」などを含む)、派遣現場へ誘導を行う業務をおこなっていた。また、欠員などで起こるクレーム対応も含め、派遣元会社としてのあらゆる業務を、日々休みなくこなしていた。業務量は膨大であり、労働時間は許容範囲を超え、徹夜での残業が日常となっていた。
しかし、グッドウィルはわずかな役職手当を支給するだけで、残業代は一切払ってこなかった。
グッドウィルはその理由として,本件訴訟において「原告は労基法上の管理・監督者の地位にあり、賃金未払いはない」と主張した。

4 裁判の争点は、支店長であった原告の実態が、労基法上の管理監督者に当たるか、原告の実労働時間の特定ができるか、の2点であった。

原告らは経営方針を決定する役員会議へ参加したことはなく、部下の採用や時給引き上げの裁量権もなかった。また、原告らの勤怠は統括事業部に管理され、出退勤の自由裁量もなく、長時間労働を強いられていた。原告の一人は、1ヶ月の残業時間が100時間を超え、まったく休みが取れない月もたびたびあったことを法廷で意見陳述した。さらに、原告らは,割増賃金の原則の適用外とされるほどの賃金等での優遇措置を受けていたわけではない。
このように原告らの労働実態は、支店長とは名ばかりのものであり、原告は労基法上の管理・監督者とは言えないことは明らかであった。原告の長時間労働に対して正当な対価である賃金を支払われていないことは許されることではない。
また、原告の労働実態の記録について、我々は当時グッドウィル内で使用されていた労務管理システムの出退勤記録、および各支店に設置された警備会社の施錠記録に基づいた労働時間を主張したが、その記録はすべて原告の長時間労働を指し示すものであった。

地裁は、いわゆる「マクドナルド名ばかり店長裁判」等の裁判例にならい、原告が管理監督者であるとする主張の根拠を指し示すよう、グッドウィルに要求した。しかし、グッドウィルは主張の根拠を指し示すこともできない状況のまま、裁判は長期化し、グッドウィルは2009年12月末日をもって解散となった。グッドウィルが清算段階に入ったことを受け、争議の早期解決に向けて、裁判所主導のもと和解協議が行なわれ、結果和解に至った。

5 具体的な和解内容については、口外禁止であるが、原告17名全員が納得できる水準であり、弁護団、首都圏青年ユニオンも以下の点で原告勝利として本和解を評価した。

1、 原告全員の労働実態を一定踏まえた正当な解決水準であること。
2、 事実上実体がなくなったグッドウィルとの和解であること。

6 本訴訟の和解による解決を受けて我々は、労働市場に蔓延する「名ばかり管理職」を抜本的に根絶する運動をさらに強めたい。「名ばかり管理職」によって、長時間労働への歯止めがなくなり、過労死にいたる労働者は決して少なくない。そして、労働者が正当に働いたならば、対価としての賃金を支払うことが、すべての企業が負う責任である。人間らしく働ける社会には、「名ばかり管理職」は不要である。今回の訴訟が、すべての労働者の権利獲得に向けての後押しになれたことを評価したい。
また、訴訟前から、原告17名は首都圏青年ユニオンの組合員となって、争議解決にあたってきたが、グッドウィルは首都圏青年ユニオンとの団体交渉を交渉途中から事実上拒否し続けてきた事実も忘れてはならない。労働組合との団体交渉拒否は違法であり、グッドウィルは大企業としての社会的責任をまったく果たさなかった。しかし、原告が最後まで諦めず、大企業であったグッドウィルと闘い続けたことで、今回のように勝利和解を勝ち取った事実はすべての労働者と労働組合の大きな励みとなった。
我々は、今後も正規・非正規問わず、すべての労働者全体の権利の実現のために邁進していく決意である。
以上

 

グッドウィル「名ばかり管理職」訴訟和解 残業代支給へ

朝日新聞:2010年10月5日

 2009年末に解散し、清算中の日雇い派遣大手グッドウィルの元支店長17人が、管理監督者の実態がない「名ばかり管理職」だったとして、未払い残業代など計約7千万円の支払いを求めた訴訟が、5日までに東京地裁で和解が成立した。会社側が残業代や慰謝料などを支払う内容で金額は非公表だが、総額は数千万円になると見られる。
 原告は、06年から08年7月にグッドウィルが廃業するまで、全国の支店に勤務していた20~50代の元支店長ら。原告によると、多い月では残業時間が100時間を超えることもあった。会社側は「支店長は残業代の対象外となる管理監督者」として残業代を支払っていなかったが、採用や時給引き上げなどの裁量権はなく、実態は管理監督者とは言えないものだったという。
 元支店長らは08年10月、最大2年間分の未払い残業代の支払いを求め、同地裁に労働審判を申し立て、その後、裁判に移行。元支店長らが管理監督者にあたるかどうかが争われていた。
 当時、会社側は残業時間の上限を月30時間として、それ以上の届け出をしても30時間に書き換えていたという。今回の残業代の額は、会社に残る記録を基に算出したため、請求額よりは少なくなったという。

 

グッドウィル:残業代支払いで和解 元支店長17人と

毎日新聞:2010年10月5日

 清算手続き中の日雇い派遣大手グッドウィルの元支店長17人が「名ばかりの管理職にされ残業代などが支払われなかった」として、同社に約7000万円の支払いを求めた訴訟は、5日までに東京地裁で和解が成立した。和解条項は非公開だが、原告側によると、会社側が元支店長に管理監督権限がなかったことを認め、確認できた残業代を全額支払うことで合意した。
 17人が加盟する労働組合「首都圏青年ユニオン」によると、元支店長らには管理職としての権限がなく、一方で1カ月の残業が100時間を超えたのに、管理職を理由に残業代が支払われなかった。
 グッドウィルは08年7月に廃業。17人(当初は19人)は同年10月に労働審判を申し立てたが、会社側が和解に応じず、訴訟に移行していた。

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