派遣をモノ同然に返品する楽天モバイルとアデコ のとんでも雇い止め理由!大企業2社の醜い罪のなすりつけ合い。


 組合員は大手派遣会社アデコ株式会社 の登録型派遣として楽天モバイル株式会社購買部へ派遣されて1年と半年を迎えようとしていた2021年2月、アデコより 3月で雇い止めとの通知を受けました。雇い止めの理由にコニュニケーションの問題とルール逸脱があったことを主張しているものの、楽天モバイルは客観的事実を示す証拠とは程遠い事実を歪曲したとんでも回答を提出してくる始末。首都圏青年ユニオンは雇い止めの撤回と職場復帰を求めて団体交渉を行なっています。



◆雇い止め理由として提出してきた楽天モバイルのとんでも回答


 第一回目のアデコ との団体交渉において我々は、雇い止め理由の客観的事実を提示するよう要求しました。その要求を受けて開かれた第二回団体交渉においてアデコ が楽天モバイルの回答として提出した資料に目を通して、我々は絶句しました。これを一大企業の社会人が社外に提出する資料として大真面目に作ったものとは到底考えられないとんでも回答が並んでいたからです。


「正論を言ってくる(正論が正解ではない)」

「正社員への文句・要望が多い」

「頼みづらい」

「対応が横柄」


 上記は提示してきた雇い止め理由に該当するコミュニケーション問題の一部ですが、全て日付も当事者も具体的に特定できずいつ誰がどのやり取りのなかでどの発言や対応が問題であったのか、客観的に判断することができない粗末な内容が並べられていました。組合員は2020年2月からテレワークを実施しており、連絡手段はメールか社内SNSを通して行なっている環境から業務上発生したやり取りについて客観的事実を特定することは容易であると考えられます。にもかかわらず先に書いたような一方的かつ主観的な印象論のみをとって雇い止めは正当であるとする楽天モバイルの主張は、大企業の一員としてあるまじき姿勢と言わざるを得ません。



◆知らぬ顔をとおす雇用主アデコ は苦情処理を放置


 雇い止め告知を受ける前にアデコ が組合員と行った面談において「トラブルがあればアデコ にまず相談してほしい」と言われた組合員は、楽天モバイル社員による不適切発言「ルーティン業務だけやりたいのであればそれはうちの会社に合わない」などと言われた件について申告しました。相談に対してアデコ 担当者は自ら「こちらで調査します」と申し出たにもかかわらず、苦情相談のフィードバックはされないままその後雇い止め告知を受けました。

 本件について第二回団体交渉で追求したところ「事実関係を確認して改善してほしいとの申し出が組合員からなかったことを理由に苦情申し出と認識していなかった、楽天モバイルに確認はしたもののアデコ として対応の必要がないと判断したためフィードバックは行わなかった」などと筋のとおらない主張を展開しました。楽天モバイル側の不適切発言には、文句を言うなら辞めろと示唆する意味合いが含まれていると十分に理解できる強烈な否定的言動であることは明らかですが、これに対してもアデコ は「社会人としてあり得ること」、「気遣いでかけた言葉」などと想像力の欠片もない返答を繰り返すばかりでした。本来アデコ は雇用主たるべき立場を全うして自身や派遣先の間違いを認めて真摯に対応することが求められるはずですが、大企業の役職者としての発言とは思えない不誠実な回答を繰り返しています。



◆今回の雇い止めは報復的処置の可能性


 なぜ本件雇い止めについて報復の可能性が高いかというと、組合員は雇い止め告知を受ける前に二度楽天モバイルに対して苦情申し入れを行っており、雇い止めは苦情申し入れをした翌月に検討され、その翌月の2021年2月に告知されているからです。苦情以外にも理由はあれど、これまでに6回更新を続けてきた経緯を考慮すれば楽天モバイルへの苦情申し入れが大きなうねりを作ったことは想像に難くありません。

 またここで考慮しておきたいのが組合員の楽天モバイルでの業務実績です。処理件数は上から二番目に多く、同時に多くの業務改善にも積極的に関わってきた実績があります。業務改善のために積極的に問題提起してきたその姿勢を「生意気」と捉えられ、異分子として排除されたのです。この「生意気」の前には、派遣のくせに、事務職のくせに、女のくせに、と付いているように思えてなりません。組合員の持っている属性に対してまさに差別的な目線を向けているからこそ、今回の不当な雇い止めが起きたのだと考えています。



◆登録型派遣は最も劣悪な働き方の一つ


 労働者派遣とはもともと職業安定法によって禁止されていた職業形態ですが、ではなぜ禁止されていたかといえば中間搾取による低賃金や調整弁的扱いによる雇用の不安定を招く非人道的側面があるからです。残念ながら日本の法律は企業に有利に設計されているのが現状です。登録型派遣というだけで期間満了という名の首切りが横行し、派遣先にとっては雇用の責任を追うことなく正社員より単価の低い派遣社員を調整弁として使い捨て可能な構造が叶っています。まさに労働者派遣の危惧していた事態が現実のものとなって現れているわけです。

 登録型派遣とは雇用関係と使用関係が分離した特殊な働き方です。だからこそ派遣元、派遣先が連帯して雇用の責任を負うべきなのです。本件では楽天モバイル、アデコ ともに社会的に影響力の高い大企業に当たるわけですから、その責任はより重いと考えます。引き続き首都圏青年ユニオンは楽天モバイル、アデコに対して雇い止め撤回と雇用主責任を要求していきます。

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