【コラム】精神障がいと障害年金VOL.1――障害のある人と生活保護シリーズのコピー
- 2 日前
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1.はじめに
チャレンジドユニオンでは障がいのある人、特に精神障害のある人が生活保護を利用することは重要だと考えています。
なぜなら、精神障害のある人は調子にムラが出やすい傾向があるからです。働けるかどうか、働き続けられるかどうかが、不安定になりがちです。
さらに
・出勤できないかもしれない
・出勤しても途中でつらくなって、働けなくなってしまうかもしれない
・働けないと収入が減ってしまい、生活が苦しくなってしまう
といった不安が、さらに症状を悪化させてしまう原因にもなりえます。
そうなると負のスパイラルに陥り、安定して休む、治す、そして働くことからは、ますます遠ざかってしまいます。
このような負のスパイラルに陥らない・抜け出す手段の一つとして、チャレンジドユニオンは生活保護の利用をおすすめしています。
生活保護を利用すると、生活保護費が支給されます(金額はさまざまな条件によって、ことなります。さまざまな条件とは、住んでいる地域、賃貸に住んでいるか、持ち家に住んでいるか、同居家族は何人か、などです)。
2.生活保護費は働いていても受け取れる
生活保護費は働いていても、受け取れます。働いて得た収入が、生活保護費を下回った場合は、差額を受け取れる仕組みです。
たとえば、Aさんの生活保護費は月13万円です。
Aさんは障がい者雇用の短時間勤務で働き、今月は6万円の収入がありました。
このとき今月のAさんは、13万円の生活保護費から6万円の収入を引いた、7万円が受け取れます。
また勤労控除、一時収入控除という制度があります。それぞれ約1万5千円程度、約8千円程度が控除されます。
控除とは、書類のなかでだけ、収入からこの金額が引かれるということです。
つまりAさんの収入は本当は6万円ですが、書類のなかでは4万5千円、または5万2千円としてあつかわれます。
そうすると差額も変わって、約8万5千円、または約7万8千円ということになり、この金額を受け取れます。
つまり、控除されたぶん(約1万5千円または約8千円)だけ多く生活保護費を受け取れる、ということです。
もしAさんの調子がわるくなって、今月はあまり働けず、2万円しか収入がなくても、同じです。
生活保護費は、Aさんの体調や、どれほど働けたかにかかわらず、月13万円です。控除もされます。
このように、調子のいい・わるい、働けた・働けなかったにかかわらず、一定の金額が安定して受け取れる生活保護は、障がいのある人が安心して休む・治す・働くうえできわめて重要だと、チャレンジドユニオンは考えています。
3.障がい者加算を受け取るための(理不尽な)ルール
また障害のある人が生活保護を利用した場合、生活保護費に「障がい者加算」が上乗せされる場合があります。
障がい者加算は、障がいのために困難な生活を送る障害のある人を助けるためにあります。
障がい者加算を受け取るには、障がい者保健福祉手帳(通称「障がい者手帳」)の取得が必要です。
障がい者手帳には障がい等級という、障がいの重さをしめすものがあります。1級がもっとも重い障がい等級で、数が大きくなればなるほど、障がいは軽いとされます。
では障がい等級が何級以上であれば、障がい者加算が受け取れるのでしょうか。これは身体障がい、精神障がい、知的障がいの、障がいの種類によってことなります。
身体障がい手帳であれば1~3級の場合、障がい者加算を受け取れます。
しかし精神障がい手帳の場合は、1~2級でないと障がい者加算を受け取れません(つまり3級の人は受け取れません)。
また知的障がいのある人の療育手帳(東京都などの一部自治体では「愛の手帳」と呼ばれることもあります)では障がい者加算を受け取ることはできません。障がい年金を申請して決定された障がい等級が1~2級の場合、受け取ることができます。
このように障がいの種別によって扱いがことなること自体、チャレンジドユニオンでは異議を唱えますが、精神障がいの場合はさらにもう一つ理不尽なルールがあります。
それが
・精神障がいの場合は、障害年金を申請するまでは障がい者手帳の等級で、障がい者加算を受け取れるか判断する
・障害年金を申請して等級が決定した後は、障害年金の障がい等級で、障がい者加算を受け取れるか判断する(つまり年金の障がい等級が3級または該当せずだった場合、手帳の2級で受け取っていた障がい者加算が削除されてしまう)
・障がい年金の受給資格をもたない人は、障がい者手帳の等級で、障がい者加算を受け取れるか判断する
というルールです。
この連載では、このルールがどのように理不尽なのかについて、詳しく述べていきます。(つづく)




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