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【団交レポ①】団体交渉を通して見えてきた会社の「安全配慮」の裏側

  • 1 日前
  • 読了時間: 8分

累計導入者数が35万社を超える予約システムRESERVA。個人事業主から大企業、官公庁まで幅広い業種の方々が利用するそのシステムを開発・管理・運営している株式会社コントロールテクノロジーは、根拠に乏しい休職命令を発令したうえ、組合との団体交渉でも数々の不誠実な態度を見せていました。


前回記事にした通り、コントロールテクノロジーは私の労務提供意志や、主治医の休職が必要とは思えないという意見を無視して休職命令を発令しました。それもユニオンからの加入通知が送付されてからわずか8日後のできごとであり、組合加入に対する報復行為ともとれるタイミングでした。

会社の不当労働行為について追及し、是正と補償を求めて2026年4月16日に第1回団体交渉が実現しましたので、今回はその内容をお伝えします。


ユニオンの主張

・休職命令は組合加入通知直後で客観的に見ても明らかな報復(不当労働行為)に見える。

・診断書の内容や医師の意見は休職を指示しておらず、業務調整で勤務可能。

・会社は十分なヒアリングや医師・産業医の確認なしに拙速に発令、賃金無給・入館拒否・就業規則提供拒否など手続上の瑕疵が大きく、即時復職とともに休職期間の賃金補償が必要。

・就業規則を組合や私に提出すること。

・直ちに私物を返却すること。


コントロールテクノロジーの主張

・不利益取扱いや報復の意図は一切なし。安全配慮義務に基づく判断。

・三案(他部門異動・現部署内業務調整・休職)を協議の上、最も確実な増悪防止として休職を選択。

・復職は「通常勤務可能」の診断書と社内手続(指定医面談等)を経て、速やかに認める。

・私物には会社の「情報資産」が含まれている可能性があるため返却できない。

・秘密保持契約を結べば組合に開示できる可能性があるが確定事項ではない。就業規則の写しの交付も拒否。


団体交渉の結果、何が決まったか

結論から記載すると、何も決定していません。依然として私に発令された不当な休職命令は撤回されておりませんし、休職期間中の収入は0です。社内に置き去りにされた私物は会社から返してもらえませんし、就業規則も「見たいときにいつでも見られる」状態にはなっていません。


どうして何も決まらなかったのか

1.会社が自らの失策を是として譲らない姿勢を示したため。

2.組合からの意見に対して不誠実な反応を返したため。

3.最終決定を下せる社長が不在だったため。


会社が自らの失策を是として譲らない姿勢

会社側はしきりに「安全配慮のために休職を命令したのであって他意はない」と主張しており、医師が労務提供不可と診断していないため傷病手当金が申請できず休職期間を収入0で過ごさないといけないという悲痛な訴えを聞いても考えを改めることはありませんでした。

発令前に医師や本人との面談を実施していない以上、安全配慮のための施策とは言えず、また、様々な悪影響が出ているため単なる余計なお世話で済まない領域に達しています。

休職期間中の賃金保証についても、否定する姿勢を変えないどころか、交渉前から既に決定していることであるかのように、即座に否定されたことがとても印象に残っています。私の状況を重く受け止めて歩み寄る姿勢を欠片も見せないのであれば、私のことを思って休職命令を発令したという建前も一切使用しないでいただきたいと思いました。


不誠実な反応とは...?

今回の団体交渉で私が不誠実だと感じたやりとりがいくつもありました。詳細は以下の通りです。


①Yes/Noで回答できる質問に対しても明確な回答をせず責任を逃れようとした。

「傷病手当金が出ると認識したうえで休職命令を出したのか?」という質問に対して「最終的に決定するのはIT健保の方だ。セーフティネットとして案内したまで。」といったように正確な回答を得られませんでした。組合から強く要求しないとIT健保に問い合わせをしないような受動的な姿勢もばっちり確認しています。


②都合の悪い事実を隠して十分に検討した素振りを見せた。

私と同じ品質管理部に所属していながらカスタマーサポートの電話対応業務を負っていない人たちがいるにも関わらず、負荷の高い当該業務について、必須だからこれ以上調整できないという旨の発言を行いました。電話対応業務をしていない人がいる事実を隠しているように思いました。休職命令が出る数週間以前から先述の業務をアサインされない状態が続いており、「私の担当ではなくなった」と上司からの説明を受けていた事実を伝えてもその考えに変更はありませんでした。

また、異動させる選択肢の否定材料として会社は、「現状より負荷の軽い業務がない」とのことを示されましたが、新卒入社から昨年12月末まで3年近く企画部で勤務し、回数券機能や自動送信メール拡張機能をはじめとする、RESERVAをより便利なシステムにする数々の重要機能の要件定義を行ってきた実績を全く考慮していない、私の名誉を傷つけるような発言でした。


③何度も同じ話をした。

組合から質問や反論、新しい情報などを共有した際に、何度も同じ話をするだけでその場で真剣に検討したり新たな提案をしたりすることなく、さらに社内に持ち帰って検討することさえ渋るような対応をされました。会社の顧問弁護士からは会社の強硬姿勢にあきらめているような雰囲気や発言が出たように思えました。組合活動として、他の企業との団体交渉には私も何度か参加しておりますが、他の企業はもっと深く考え色々と対談したうえで発言しているような気がします。このような状態が続くようでは、会社側は話し合いによる解決に向かって進みたくないのかなと思ってしまいます。


④本人の前で「過去の話はどうだっていい」と発言した。

不当な休職命令の見直しや補償についての話題になった際に上記のような発言が会社の顧問弁護士から飛び出し、そういった発言は控えるよう組合から指摘をしました。弁護士としては過去の事実関係よりも、今後の話をしようという趣旨での発言だったかもしれませんが、私も医師も望んでいない休職を勝手に押し付けられて収入もなくされ、復職のための診療代はすべて自費、会社が指定した復職手順をすべて踏まなければ復職も不可...絶望的な状況であることを説明した後でしたのでとても傷つきました。そして会社の方も、今回の団体交渉での態度や姿勢から似たような考え方をしているであろうことは容易に想像できました。


⑤本来想定していた団体交渉の機会を潰した。

本件がなければ、有給休暇の時季変更権濫用の疑いについての団体交渉を予定しており、対象となる有給休暇はゴールデンウイークに連なるものでした。そのため、ゴールデンウイーク前に有給休暇時季変更についての団体交渉を実施予定でしたが、今回の団体交渉を行わざるを得なくなり、しかもその場で何も決まらなかったためその機会は失われてしまいました。

不当労働行為を別の不当労働行為で上書きして交渉機会を奪うのは、最も非難されるべき不誠実な行いではないでしょうか。そんなことを実行する会社が「組合加入への報復行為ではない」と叫んだところで誰もその言葉を信用できないとおもいます。


⑥社員よりもブランドイメージを優先していた。

就業規則の提出や私物の返還を拒否する際に(就業規則は団体交渉の場で閲覧のみ許可され、メモすることも許されませんでした。)、それらを情報資産と見なし、流出した際に客からの信用が落ちることを異常に危惧していました。情報セキュリティ上信頼に足る人間だと判断した上で、社員として採用したのでないのでしょうか。「ブランドイメージを守れるなら社員がどれだけ不幸になっても構わない」というスタンスを改めることができないのであれば、私はその認識が変わるまで今回のような会社の不誠実な側面を社員、組合員、世間一般に周知し続けるほかないと思っています。


以上のやり取りから、会社が解決に向けた話し合いを本気で求めていないことが明らかになりました。


社長の不在

組合からは谷本社長の出席を求めていましたが、団体交渉には出席されませんでした。不当な休職命令の最終決定をした張本人であり、会社の最高責任者であるにもかかわらず、会社側に聞いてもその理由は明らかになりませんでした。そのせいで、会社がここまでの強硬姿勢をとる理由を示してもらえませんでしたし、今回の休職命令がなぜ責め立てられるものなのかわからないといった発言を会社側がされるほど当事者意識が欠落していたのは、会社の代表者がそういった意識を持って団体交渉に臨んでいなかったからではないかと思いました。


次回に向けて

次回の団体交渉では会社側にも当事者意識をもって臨んでほしいと思いますし、谷本社長にも出席していただき、責任者として誠意のこもった受け答えをいただきと思っています。それを実現するためにどんなことができるか模索中であり、まずは「会社主催の新入社員歓迎会に便乗する形での組合活動」を実施してみることにしました。なお、現地での組合活動の際は思いもよらない出来事が起きました。詳細は次の青年ユニオンブログ記事にまとめておきます。

なお、コントロールテクノロジーとの第2回団体交渉は5月15日に実施します。会社の不誠実な姿勢に不快感を覚えた組合員のみなさま、続きが気になる組合員のみなさま、応援に駆けつけてくださると励みになります。

会社がどれだけ強硬な姿勢をとっても挫けず、解決に向けて粘り強く交渉していく所存です。新入社員歓迎会に合わせた手作りカード配布など、現場での活動レポも次回の記事でお伝えしますので、ぜひ応援をお願いいたします!




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